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【FF7】ボクシング・デー

第2章 煙草の味を覚えた日


レノは、チラリとアグレイスを見やってから、意地悪く笑った。

「あんだけバカスカファイア打たれても平気だったんだ。問題ねえだろ」

「死ぬぞ」

「タバコ吸って死ねるなら本望だろ、相棒!」

悪びれる様子もないレノに、ルードはそれ以上何も言わなかった。
無駄なことに時間を使うのは、無駄なことだからだ。

「バカ言ってないで、行くわよ」

アグレイスが来た道とは違う方向に歩みを進めると、ルードが続く。

「おぉっと! 今回は立場が逆だなっと」

遅れたレノが、機嫌よく最後尾についた--。

「パパ?」

「あん?」

レノの背後に現れたのは、年端も行かない少女だった。
寝間着のような薄いピンクのワンピース。片手にはぬいぐるみ。
もう片方の手には、光るもの。

「あっ」

小さく声を上げ、少女がその場に崩れ落ちる。

乾いた金属音が響き、何かが石畳に散った。

うつ伏せの少女の背からの滲みが、石畳みの隙間を伝って不規則に広がっていく。

ナイフを投げた姿勢のまま、アグレイスはその一部始終を見届けた。

「油断した、助かったぞっと」

レノはアグレイスの肩を軽く叩き、何事もなかったかのように歩き出す。
アグレイスは答えるように一度頷くと、踵を返してその背を追った。
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