• テキストサイズ

【FF7】ボクシング・デー

第2章 煙草の味を覚えた日


「嬉しいねぇ♪ 大歓迎じゃねえか」

口の端を上げ、スラムの若者が金持ちを前にしたような表情をしたレノがロッドを下げながら、ゆっくり足を踏み出す。

「花火に観客はつきものだ」

背後にいたルードもレノの横に並んだ。暴れることには満更ではないと口元を歪めつつ、グローブに指をかける。

目的地は街の中心にある時計台。

上まで登れば見通し抜群のその場所は、守る側としても要所だろう。当然と言えば当然だが、警備が控えていた。
相手は四人。ルードほどではないが鍛えられた若い男が二人。残る二人は落ち着いた風格の壮年の男とオドオドとした背の高い痩せた男だ。
服装こそまちまちだが、全員が銃器を所持していた。
街の中心ということもあり、いつ応援が呼ばれるかわからない。

相手が構える前に、レノが駆ける。
向かう先は若い男。

「先手必勝ってな!」

ロッドが銃にぶつかり、持ち主は後方へ転がった。

「ぁれ? 武器飛ばしたつもりだったんだけどな。まあいいか」

ガラ空きの後ろを狙ったのは、もう一人の若い男。しかし、ルードの方が上手だった。鈍器のように振り上げた銃身を片手で押さえ、首を締め上げる。

その姿を見て、痩せた男はしりもちつく。逃げの姿勢をとったなら、ナイフを投げるところだが、その心配がないことを確認して、意識を壮年の男に向ける。
こちらが若い女だということに気が付いたのか、脂下がった顔を引っ下げて、アグレイスの仕掛けた足払いを巧みに避ける。体制を立て直す隙を見計らって伸してきた腕を掴み石畳に叩きつける。
動きの派手さの割には、大したダメージにはならなかったのか、男はすぐに立ち上がった。

「やるねえ。オネエチャン」

その声音が先のレノとのやり取りに重なる。
向かってくる男を流れるような動きで捻りを加えた脚技で迎え打つ。男は読み通りの動きにニヤリと口の端を上げた。か弱い女の攻撃など避けるまでもないとばかりに勢いよく飛び込む。

「うぐぁ!」

短く喉の奥から音が漏れて、男はたまらずその場にうずくまった。
受けきるはずの蹴りは、まるで丸太で突いたかのような強力な一打。とても目の前--自分よりも小柄な女が繰り出せるものではなかった。

「ごめんなさいね。さっきブーストかけてもらってたのよ」
/ 14ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp