第2章 これぞジジイ殺し。
「宗派は?」
「真言宗です」
堂島さんは線香入れから三本線香を抜き取ると香炉に立て、それから御鈴を二回鳴らして、合掌した。
気遣いの人なんだな、と思った。
それからあたし達は、一緒に朝食を摂った。
質素な朝食を、堂島さんは丁寧に食べてくれた。
「久しぶりにこんなに健康的な朝飯を食った気がする」と感謝されて、あたしは狼狽える。
「ごめんなさい。明日からはきちんと用意します」
「そういう意味で言ったんじゃない。
……――アンタ、案外奥ゆかしいんだな」
「堂島さんは意外と御茶目ですね…………」
「意外か?」
「そう言われれば極2で真拳派から助けた時とか、3の三章とか、結構戯けてたような…………?」
……――こんな風に誰かと食卓を囲むなんて、本当に久しぶりだ。
懐かしさに痛む胸を抱えながら、あたしは箸を進める。
今日の予定は、昨晩の内に話し合っている。
まずはあたしが朝仕事を片付けて(あたしは小規模な農家をしている)、そうしたら街へ案内がてら当座の間入り用になる品を買いにいく。出費はあたしが負担する事で決着した。堂島さんの持ち金が、こちらの世界でも使えるとは限らないからだ。その事に堂島さんが心底すまなそうな顔をするので、軽く農作業の手伝いをして貰う事で手打ちにした。正直、男手が借りられるのは凄く助かるし――……
その後もあたし達は、時々言葉を交わしながら朝食を食べた。
……――久しぶりに食事を美味しいと感じた気がした。