第16章 温もりは海を越えて
眠れないと思っていたが、そのまま恵のベッドで眠ってしまい、恵に申し訳なくなる。
前に一緒に寝るのは嫌だと断られている。
見上げると、本を読む恵がいる。
起こさずに、そのまま寝かせてくれた。
「恵?……おはよ」
こちらを向いた恵に笑顔を向ける。
恵は特に表情を崩さず、くしゃっと髪を撫でた。
「……はよ。さっき五条先生が、"後で話があるから集まってもらう"って言ってたぞ」
「ん、そっか」
少し沈黙が流れた後、どんどんと扉を叩く音が聞こえて、ビクッと肩を跳ねさせる。
声からして、悠仁と野薔薇のようだ。
扉を開けて招き入れると、恵に睨まれてしまった。
"うるさいからやめろ"と言っているようだった。
苦笑しながら片手を上げて、"ごめん"と念を送る。
「じゃあ……悠仁、野薔薇。恵をよろしくね。私は行くね」
1年水入らずで話したいだろう。
私は恵の本音を聞けたから満足だ。
その足で、悟のところへ向かった。