第14章 君に触れて
風で髪が後ろに靡く。
ワンピースもひらひらと揺れていた。
潮の香りが風に混じる。
ケニアのビーチは、白い砂浜と青い海のコントラストがとても綺麗。
サンダルを持ちながら迫る波から逃げる。
裸足だから逃げる必要もないのに、そうするのが楽しかった。
引いてまた寄る波からもう一度逃げようとすると、憂太にぶつかった。
謝っていると波がすぐそこまで迫っている。
いきなり足が浮いた。
お腹に手を回した憂太に抱えられている。
「憂太……憂太の足、濡れちゃった」
「ん?大丈夫だよ。千景の足が生き残ってるからね」
意味がわからない遊びに憂太はノッてくれて、サンダルを履いたままの憂太の足はびしょびしょになっていた。
憂太はそのまま私を抱えて歩く。
周りにもたくさんの人がいるから、少し恥ずかしかった。
憂太はスラックスを巻くっているギリギリまで海水に浸かる。
腰を捻って憂太の首に掴まると、腕の力を緩められた。
「ひゃっ?!憂太っ!」
「ふふ、びっくりした?」
ズリッと落ちた私を抱え直し、楽しげに笑っている。
ぷくっと頬を膨らませると、その頬に唇が触れた。
そのまま歩いていると、いつの間にか横抱きにされていて、視線が前よりも高いことに気づく。
「憂太、また身長伸びた?」
「ん?あぁ……そうかも」
高専に入学した頃は真希とそんなに変わらなかったので、今はもう、180cm近くになっているだろう。
身長が伸びれば伸びた分、大人びていく。
前髪も分けてはいるが、少し伸びた。