第14章 君に触れて
少し時間をかけてシャワーを浴び終わった憂太とホテルを出る。
憂太はホテルでタクシーを呼んでもらったようだ。
「私、運転できるよ」
「そっか。千景は18歳に……プレゼント!お祝い!」
憂太はいきなり声を荒らげて、私の肩を掴む。
「あ、でも!運転しちゃダメだよ?!するなら、日本でだけにして!ほとんど補助監督に送迎してもらってるでしょ?」
全てお見通しのようだ。
教習所以外ではほとんど運転したことがない。
日本と同じ左側通行、右ハンドルだとしても、色々事情が違う。
到着したタクシーに乗り込み、憂太は英語で運転手と話している。
さすがに全部はわからなかった。
――もう少し、勉強しようかな……。
「あ……憂太……」
私は大事なことに気づき、財布を開いて中身を見せた。
1000円札が数枚と小銭が幾らか……ケニアで使えるお金など、持っていなかった。
「あー大丈夫だよ。なんとなく、そうかなとは思ってたし。そもそも、僕が全部出すつもりだった」
「ありがとぉ、憂太ぁ……帰ってきたら返すからぁ……」
憂太は笑いながら「いらないよ」と言って、私の財布を閉じた。
そのまま押し返され、鞄の中にしまう。
車に揺られながら、たまに当たる肩にドキドキする。
もっと色んなすごいことをしてるのに、憂太は私をいつでもときめかせる。
流れる異国の景色を見て、どこに向かっているのか知らないままワクワクしていた。