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呪いのなかで、恋々【乙骨憂太】

第14章 君に触れて


数分泣き続けていた千景が落ち着いてきた頃、五条先生に声をかけられる。

「憂太、ちょっと話があるんだけど……厳しいかな?」

静かになったと思った千景は、僕の胸で眠っていた。

「誰にも聞かれたくない話ですか?」

先生は首を振った。
どうやら、ミゲルさんに聞かれても、千景が起きてしまっても、特に問題はないらしい。
周りは僕たちの言語を理解出来る人は、いないに等しい。

先生は千景が起きる前に、千景に関することを話すことにしたようだ。
――千景に何かあったのだろうか。
あんなに泣いていたのは、喧嘩したからだと思っていたが、別の理由もあるようだ。

「千景さ――レイプされたみたいなんだよねぇ」

「は?何言ってるんですか。笑えない冗談はやめてくださいよ」

先生の雰囲気からして、冗談ではないらしい。

千景の術式を禪院家が知り、呼び出したそうだ。
先生は千景なら大丈夫だと思い1人で行かせたが、思わぬ方向で傷付けられてしまったらしい。

「硝子に頼んで、アフピルは飲ませたから。ただ、精神的なケアはねぇ……憂太が適任かと思って」

「誰ですか。禪院家の誰ですか。千景に触れたのは」

千景を抱き締める腕に力が入る。
苦しげに喘ぐ千景に気づき、慌てて力を抜いた。

千景を襲ったのは、禪院直哉。
聞いたことはある。
あの禪院家でも、特にクズ野郎だって。

禪院直哉は千景の術式を知り、子供を産ませて結婚するつもりのようだ。
――そんなことさせない。

席を外していたミゲルさんには、この事実は共有されない。
ミゲルさんに千景のことは関係ないから、特に話す必要もない。

五条先生は「1年生の虎杖悠仁のことを頼む」と言っていなくなった。
出来れば、交流会までに千景を帰すことを約束して。

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