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呪いのなかで、恋々【乙骨憂太】

第13章 血が生む傷


千景はあれからすぐ日常に戻ったが、誰が見てもわかるくらいには元気がなかった。
棘とは全然話さず、近づくことすらしない。
棘もそれに気づき、無理に近づいたり声をかけることはしていなかった。

恵に対しても距離があり、相当な傷を負ってるようだ。
それもそう。あんなことがあれば、ああなるのは当たり前だろう。

パンダに関しては、男と認識していないようだ。

七海との北海道への出張から戻ってからすぐ、千景を禪院家へ向かわせた。
その後、出張の処理を後回しに千景を気にかけていたから、千景には相当我慢をさせてしまった。

だがみんなと過ごして、少しは回復したようだ。
ホッと胸を撫で下ろす。
それでも、根本的な回復には至っていない。

「千景〜!おいで」

手をちょこちょこと動かし、千景を呼ぶ。
すぐに目の前に来た千景は、首を傾げて僕を見上げた。

「僕とデート行く?」

「デートって……どこ?」

「ん?千景が今、1番行きたいとこだと思うよ」

益々首を傾げた千景に数日分の着替えを用意させ、伊地知が運転する車に乗り込んだ。
悠仁のことは既に七海に任せているが、もう1人にも頼もうと思う。

"現代の異能"に会いに行こう。

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