第13章 血が生む傷
僕の腕で「憂太」と呟きながら眠った千景を、ゆっくり倒した。
軽くソファに沈む身体。
特に怪我などはしてなさそうだ。
――千景って、ストッキング履いてなかったっけ?
白い太腿がスカートから伸びている。
太腿に触れ、少しだけスカートの中に入れる。
少しベタついていた。
ホットタオルを準備して戻ってきて、太腿を拭く。
「あ……」
スカートを捲りすぎて、見えてしまった。
下着を履いていない。
この状態で新幹線に乗ってきたのかと思うと、既に過ぎたことなのにヒヤヒヤした。
見てしまったのなら仕方ないと、どこまでされたのか確認する。
千景の中心に僅かに残っている男の欲に、怒りが湧き上がる。
「僕の大事な生徒になにしてくれてんの」
やっぱり禪院家は、潰してしまおうか。
すぐに硝子に連絡し、その後に伊地知に電話をかける。
「シートが汚れてるかもしれない」と。
伊地知も何があったかには気づいているだろう。
学ランを脱がせ、シャツのボタンを少し外す。
そのまま抱えて、寝室に連れていく。
ベッドに降ろして布団を掛けると、僕の裾を控えめに引っ張った。
「大丈夫だよ。ここにいるから」
眉を顰めていた千景はゆっくり表情を解し、安心して眠り始めた。
「クソみたいな世界に連れてきて、ごめんね」