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呪いのなかで、恋々【乙骨憂太】

第13章 血が生む傷


「千景、そろそろ落ち着いた?何があったか話せる?」

悟の家で上質なソファに座り、ただ悟にしがみついている。
近づかないとわからない、少し甘めな悟の香水の匂い。

悟は……祖母以外で初めて、家族になってくれた人。
教師以上に感情を向けている相手。
安心出来ないはずがなかった。

涙も止まり始め、ゆっくりと深呼吸をした。

「禪院直哉。……その人にしか会えなかった。どこかの部屋に連れていかれて……"俺の子を作れ"って言われて……言われて……」

「うん、そっか。もういいよ。話してくれて、ありがとう」

言葉に詰まり、また涙が溢れてくる。
甘やかな香りが私をまた包み込む。

「もうここは安全だよ」「僕がずっと傍にいるから」と安心する言葉をたくさん浴びせられて、少しずつ涙は収まっていく。
呼吸のコントロールが出来なくなって、ヒックヒックと漏れる嗚咽はまだ、尾を引いていた。

「憂太……ゆうたぁ……」

「………憂太だよ。僕は憂太。好きなようにして」

悟の言葉は意味がわからなかったが、私はただ「憂太」とばかり呟いて、悟に縋っていた。

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