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呪いのなかで、恋々【乙骨憂太】

第13章 血が生む傷


駅につくと悟が迎えてくれる。
トボトボと歩き悟の前で止まり、俯く。

目隠しをした白髪の長身。
目立って当たり前だ。
周りから悟を不思議がる声が聞こえてくる。

「おいで、千景。僕がいるから、もう大丈夫だよ」

両手を広げた悟を見上げる。
だけど、足が動かなかった。

そんな私を悟は包み込むように抱き締めた。
厳しい残暑で暑いはずなのに冷えた身体は、悟の少し高い体温に温められる。

周りが余計騒がしくなったようだが、今の私には何も聞こえていなかった。
落ち着いた悟の心音と、温もりだけを感じる。

「悟……憂太に会いたいよぉ……」

「ん。ごめんね……憂太から引き剥がして」

髪を撫でた悟は、その場から移動した。
一般人が行き交うホームから、一瞬で姿を消す。

駐車場まで来ると、黒塗りの車に乗せられ、また包み込むように引き寄せられた。

「伊地知。僕ん家」

「え?一色さんを五条さんのご自宅に?」

驚いて聞き返す伊地知さんに悟は「いいから早く」と、有無を言わさず運転させる。
動き出した車の中で、視界が暗くなる。
悟の大きな手が、私の目を覆った。

そのまま悟にしがみつき、私は大人の男の胸で涙を流し続けた。

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