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呪いのなかで、恋々【乙骨憂太】

第13章 血が生む傷


憂太が海外に行って数ヶ月。
会えないのは寂しいが、よく連絡をくれる。
憂太は呪具の捜索と、海外の呪術を学ぶ為に、悟に任務として言い渡されたらしい。

「憂太はね、僕と並べる可能性がある術師なんだよ。だから強くなってもらわないと。もちろん、千景もね」

少し前に悟がそう言っていた。

私たちには任務で遠征。
恵は仙台へ任務に行き、そこで特級呪物"宿儺の指"を食べた少年が呪術高専に入学になったようだ。

その後、元々入学が決まっていた女の子も上京し、悟が出張中に1年だけで特級案件の任務へ向かった。
"宿儺の指"を食べた少年は死んだ。

任務から帰ってきた私たちは1年たちに会う為、そのまま1年たちがいる場所へ向かう。

「なんだ、いつにも増して辛気臭いなぁ恵。お通夜かよ」

恵や女の子の前に仁王立ちをして話しかけた真希に頭を抱える。
恵たちは同級生を失ったばかり。
出会ってからあまり日にちは経っていないだろうけど、一緒に任務へ向かった仲間が亡くなったのだ。

パンダや棘と一緒に狛犬の裏に隠れていると、パンダがコソコソと真希を呼んだ。
そして、亡くなったことを伝える。

真希は慌て始め、早く言えと怒る。
真希も知っているもんだと思っていた。

「恵〜」

ヒラヒラと手を振ると、恵は会釈のように頷いた。
素っ気ない感じがまた、可愛い……。

恵は女の子に私たち1人1人を紹介していた。

「千景。俺の姉貴」

――私はそれだけ?
確かにパンダもパンダだけだけど。

「あと1人――乙骨先輩って、唯一手放しで尊敬出来る人がいるが……今、海外」

「あんた、パンダをパンダで……」

「私は尊敬出来ないの?!」

恵の言葉につい、女の子の言葉を遮って大声を出してもらう。
慌てて謝り、下がった。

「千景を尊敬出来るっていうのは、恥ずかしいだろうが」

それを言う方が恥ずかしいと思う。
例え姉でも、素直に"尊敬してる"って言ってくれてもいいのに。

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