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呪いのなかで、恋々【乙骨憂太】

第13章 血が生む傷


あれから特訓を続け、8月下旬。
悟がいきなり来て、私を呼ぶ。

「千景、ご指名だよ。――禪院家が呼んでる。君の術式に禪院家が気づいたようだ。任務として行っておいで」

「は?」

反応したのは私ではなく、真希だった。
真希は練習用の木槍を構え、私の前に立つ。

「行かせねぇよ。どうしてもってんなら、悟も行け」

「僕は無理だよ〜。千景なら大丈夫。禪院に特級はいないから」

悟は私をちゃんと評価してくれてる。
その悟が言うなら、きっと大丈夫。

悟や真希から聞いた禪院家は――男尊女卑、力がある者が尊重される。
呪力がない真希は、蔑まされる対象だった。

真希の双子の妹、真衣も、呪力があっても、優れてはいなかった。
だから彼女もその対象らしい。

「特級はいないけど、特別1級がたくさんいるんだよね?」

「そうだよ?でも大丈夫。君をぞんざいには扱わないはずだ」

真希は悟を睨んだまま木槍を下げた。
悟に怒っても意味がないことは真希もわかっている。

悟と真希に、"金髪のクズ"には気をつけろと言われた。
金髪のクズって……すぐわかるだろうか……。

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