第10章 百鬼夜行
パンダにどうしたと聞かれ、憂太は答えにくそうに声を震わせた。
「力を貸してもらう代わりに、里香ちゃんと同じところに行く約束をです……」
「は?!お前、それ死ぬってことじゃねぇか!何考えてんだバカ!!千景はどうすんだよ?!」
憂太はもう、夏油とキスした私なんか、どうでもいいんだ。
いきなり里香ちゃんの姿が、呪いの姿から幼い女の子へと変わった。
――この子が、里香ちゃん……。
そして、パチパチと拍手の音が聞こえてくる。
「おめでとう!解呪、達成だね」
白髪のイケメンだ。
声からして悟なのはわかったが……目隠しがあるのとないのとじゃ、別人過ぎる。
悟は憂太を「超遠縁だけど、僕の親戚!」と言っている。
どうやら憂太は、あの日本三大怨霊の1人、"菅原道真"の子孫だったようだ。
前に憂太が言っていた、"僕が里香ちゃんを呪った"という言葉は、本当だったらしい。
憂太と里香ちゃんの解呪は完了した。
憂太は泣き崩れ、自分を相当責めている。
そんな憂太に里香ちゃんは、「ありがとう」と言いながら抱き締めた。
里香ちゃんが優しい光に包まれて、消えていく。
泡沫のようだった。
「憂太、千景。少し話があるから、あとで僕のとこおいで」
2人で返事をすると、悟はどこかへと姿を消した。
百鬼夜行は終わりを迎え、朝が訪れる。
憂太は今も、私の隣にいた。