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呪いのなかで、恋々【乙骨憂太】

第10章 百鬼夜行


里香ちゃんの手が緩み、横たわる憂太の横に置いてくれる。

「ありがとう、里香ちゃん」

里香ちゃんは少し距離を取った。
そのあとすぐに真希たちが来て、憂太を囲む。

憂太の顔の横に手をついて、覗き込んだ。
何度も声をかけている間に、憂太の頬が濡れていく。
ぽろぽろと溢れる雫が止まらなかった。

憂太がいなくなる。
高専に来てからずっと一緒にいたのに、もう一生会えなくなる。
そう思うだけで、心臓が握り潰されるようだった。

みんなで憂太の名前を呼んでいると、ゆっくりと目が開いていく。
すぐに起き上がり、みんなを見て慌てる憂太。
真希が落ち着かせた。

みんなが無事なのを知って安心する憂太の背中を、ただジッと見つめていた。
この背中が――なくなる。

「「憂太……」」

少し離れたところから聞こえる声と、私の声が重なった。
里香ちゃんとタイミングが一緒になってしまったようだ。

はっとした憂太はすぐに里香ちゃんを見て、そして……振り向いた。

「千景……ごめんね。夏油にされたことは忘れて。ついでに――僕のことも忘れて。里香ちゃんもだけど……千景、愛してるよ」

夏油にされたこと?
キスをされたことを知っているのだろうか。
あの時、憂太はいなかったと思っていたのだが……。

憂太は乱れた私の襟元を整え、里香ちゃんの元へ歩いていった。
その背中に何度も「嫌だ」と叫んでも、返してくれることはなかった。

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