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呪いのなかで、恋々【乙骨憂太】

第10章 百鬼夜行


振り向いた憂太と目が合った。
酷く寂しそうで、優しい笑顔を浮かべていた。

「憂太……」

憂太は目を逸らし、俯く。
それから私を見ることはしなかった。

里香ちゃんの顔に手を添え、彼女の名前を優しく呼ぶ。

「里香。いつも守ってくれて、ありがとう。僕を好きになってくれて、ありがとう」

憂太の表情はよく見えなかった。
――どうするつもりなの?

憂太は里香ちゃんに夏油を止める為に、"最後に"もう一度力を貸してと言った。
――"最後"ってなに?
解呪するってこと?

「そのあとは、もう何もいらないから。僕の未来も、心も体も、全部里香にあげる」

頭が真っ白になり、憂太の言葉を理解出来なかった。
これからは里香ちゃんとずっと一緒にいるらしい。

里香ちゃんは死んでしまってるけど、憂太は生きてるんだよ?
どうして、置いていこうとするの?

「愛してるよ、里香。一緒に逝こう」

「っ……憂太っ!やだ……やめて……」

里香ちゃんと憂太の顔が近づく。

勝手に私から離れないで。
どこにも行かないで。
……傍にいて。

「憂太!憂太っあ"!!大大大大大好きだよぉ!!」

呪力が一気に跳ね上がり、里香ちゃんの顔からひとつの目が現れた。

「そう来るか!女たらしめ!」

「失礼だな。純愛だよ」

高出力で呪力を放とうとしている。
ピンクの光りに包まれて、目を瞑った。
里香ちゃんが手で私を包み込み、衝撃から守ろうとしてくれている。

何も見えなくて、どうなっているのか……憂太はどうなったのか、わからなかった。

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