第10章 百鬼夜行
「わっかんないよ!!高専以外の呪術師のことなんか知らないし!お前が正しいかどうかなんて、僕にはわかんない!」
拳を握ったまま、心のままに叫ぶ。
「でも僕が、みんなの友達でいる為に……僕が……僕を生きてていいって思えるように!」
いつまでも千景の傍にいられるように……
「お前は、殺さなきゃいけないんだ!」
里香ちゃんは千景を抱えたまま、僕の背中に回る。
「千景を守れ」と命令した。
夏油は特級仮想怨霊"化身玉藻前"を出し、さらに4461体の呪いを一つにして、僕にぶつけると言った。
そんなことをされてしまえば、千景を巻き込むかもしれない。
守りきれないかもしれない。
「憂太、逃げて……お願い……」
里香ちゃんに抱えられたままの千景が、弱々しく言葉を吐いた。
振り返らないまま首を振り、夏油を見続ける。
「呪霊操術、極ノ番――"うずまき"」
漆黒が渦を巻きながら大きくなっていく。
あれが、4461体の呪いなのだろう。
逃げられない。
ここには友達も恋人もいる。
置いて逃げることなんて……僕にはそんなこと出来ない。
後ろから何度も僕の名前を呼ぶ、愛しい声が聞こえていた。