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呪いのなかで、恋々【乙骨憂太】

第10章 百鬼夜行


蛇の目と牙が書かれた拡声器を里香ちゃんに出してもらい、顔の前に構えた。
呪霊たちが迫ってくる。

「死ね」

迫ってくる全ての呪霊が消えた。
拡声器も役目を果たしたように、塵になっていく。

「やっぱり難しいや。呪力が拡散して、狙いが定まらない。狗巻くんはすごいなぁ」

僕の友達はすごいんだ。
それを夏油は、あんな風にした。

「ぐちゃぐちゃにしてやる!」

地面に下りて、夏油を見る。
千景の肩が僅かに動いた。

名前を呼ぶと、目を開けてこちらを向く。
――今、僕の腕に取り返してあげるからね。

「千景は僕のだ。ひとのものは盗っちゃいけない」

呪霊の口から三節棍を取り出した夏油は、千景を腕から落とした。
落ちた衝撃に呻き声を上げる千景。

――ひとのものを盗っておいて、雑に扱う人だな。
これ以上、傷が増えたらどう責任を取るつもりだ。

「千景は――優しく触れられるのが好きなんだ。扱いを間違えるな」

刀を構え、一気に距離を詰めた。

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