第10章 百鬼夜行
真希は御三家の禪院家の生まれだが、呪いが視えなかった。
いつも掛けている眼鏡を通して呪いを視ている。
真希は禪院家が嫌い。
悟から禪院家のことはある程度聞いていた。
父親が禪院家の人らしいから。
「真希さんは、どうして呪術師を続けるの?」
「私は性格悪りぃかんな。呪いも視えねぇ奴が1級呪術師として出戻って、家の連中に吠え面かかせてやるんだ。そして、内から禪院家ぶっ潰してやる」
見せた真希の笑顔は今まで一番、キラキラしていた。
憂太は少し俯き考えてから、優しい表情になる。
そして、真希に笑顔を見せた。
「僕は、真希さんみたいになりたい!強く真っ直ぐ生きたいんだ」
「手伝えることがあったら、なんでも言って」と明るく返す憂太に真希の雰囲気が変わった。
憂太は気づいていない。
夕日で反射した眼鏡は、真希の表情を隠した。
「真希。私も何かしたい。真希は私の父親の従姉妹だよ。まあ、その父親はどこで何をしているか知らないし、そもそも顔も知らない」
恵との関係も話すと、特に驚きはしないが、そこまでは気づいていなかったようだ。
私も父親についてはあまり知らない。
幾ら悟に聞いても、「そのうちね」の一点張りだった。
真希は一瞬だけ口角を少し上げ、教室を出て行った。