第5章 自覚
「私達だけでいいんでしょ?だったら他をもう帰してよ」
「……。」
アリスの提案を社長達はおろか中也も黙って聞いている。
「私、無関係の人が巻き込まれるのって嫌いなんだよね。如何?」
女社長と指揮者がコソコソと話出す。
打ち合わせが終わったのだろう。アリスの方を向きやって言い放った。
「……良いわ。本来支払うはずだった賃金の倍額を払って、今から全員を帰しましょう」
そう云うと、指揮の男が後方にいた2人の社員に指示を出した。
指示を聞いて、2人は部屋を出ていった。
「それじゃ、全員が帰るのを待って……」
「待つ訳ねーだろッ!」
「「!?」」
中也が素早く動き、男を手動で落とす。
「なっ…!?」
「貴女も『おやすみなさい』?」
アリスがそう云うと、女もフラッと男の上に倒れ込んだ。
「で?如何するよ」
あくまでアリスの任務だ。指示を待つ中也。
「この2人さえいれば知りたいことは凡て知れるでしょ。後は、物資を確認して、持ち帰って、残りは纏めて片しましょ」
「……他の連中は本当に帰すのかよ」
中也が眉間に皺を寄せてアリスに問う。
「あ、マフィアってこういう場合、帰さないの?私は何方でもいいけど……後々面倒になると思うよ?」
「……手前がそう云うなら従う」
「?何か、不満そうだから私と中也兄の記憶をあやふやにしておこうか?」
「!その手があったか」
中也がポンと手を叩く。
その表情を見て、アリスは小さく笑った。