第5章 自覚
「その前に、貴方達の目的は何?」
社長の女が質問する。
「私達はこの辺で銃の売買を生業にし始めた工場があるって聞いて、本当かどうか確かめに来たの」
「……警察なの?貴方達」
「「違うよ(な)」」
アッサリと否定する2人。
「それで?俺達の目的は喋った。其方の用事は何だよ」
女は指揮者の男を見上げる。
指揮者の男は、ゆっくりと頷いてみせた。
「貴方達を正社員として受け入れたいの。如何かしら?」
「正社員に??如何して?」
アリスはキョトンとする。
其処で、指揮者の男が部品の入った袋を取り出して、社長の机に落とさないようにひっくり返した。
バラバラと落ちきった部品の上に、L字型の、部品より大きなパーツを10つほど置く。
そのパーツの山に、社長の女が手をかざした瞬間、カッと光が発せられた。
「「!」」
光が収まって、机の上にあるのは5丁の拳銃だった。
「私はバラバラのモノを『復元』出来る異能者なの」
アリスの仮説は正しかったのだ。
「俺達に分別させていたパーツが銃のパーツとはなァ。手前の予想通りだッたなアリス?」
「本当にね。真逆、一瞬で組み立てられるとは思ってなかったけれど」
「予想していただと?じゃあ貴様等は判っていて部品分けをしていたのか?」
「「そうなるね(な)」」
「「……。」」
全く否定する姿勢も見せない2人に、困惑する△△の社員たち。
「そんなに一瞬で組み立てられるなら私達とか不要じゃない?」
アリスの質問に、社長はフルフルと首を横に振る。
「此処では、とあるところから入手した銃を一時的に目晦ましさせるためにバラバラにする事と、銃の材料を輸入して組み立てる事の2つを主軸にしているわ。人手は常に足りない」
「そうなんだ。それで、社員の人たちが銃をバラバラに、銃とわかる大きなパーツ以外の仕分けを一般人にさせているってことね」
「そう。如何かしら?仲間にならない?」
「断るッて云ったら?」
「生きて帰すわけにはいかないな」
ジャキ、と再び2人に銃の照準を合わせる。
「まあ、そうなるわな……如何する?アリス」
「そうだねー…それじゃあこうしよう。明日の朝、無関係のアルバイトを全員帰す。今からでもいいけど」
「え?」
突然の提案にポカンとする社長。