第5章 自覚
小一時間後ーーー
「社長指示通りに全員の帰宅を確認しました」
戻ってきた部下2人。
其処には、社長の女と指揮者の男の姿は無い。
「…お2人は何方へ?」
「何か報告しなければとか何とか云って出ていったっきり。私達は此処で待っておくように云われたんだけど」
「そうか…」
警戒を解く、男その1。
「そういや、銃をバラしてるッて云ってたか?」
「あ、ああ。今まさに全員で作業中だな。何でもそこそこ大きいマフィアから流れてきたらしくてな。急ぎでバラさないと拙いって事で全員残業だ」
「そうなんだ。社長たちが戻ってくるまで暇だから私達も手伝ってていいかな?」
「……そうするか」
「案内する、着いてこい」
2人は顔を見合わせてアリスの提案に乗ると、アリス達を引き連れて部屋を出ていくのであった。
部品を組み立てていた場所と、同じ規模の広さを持つ場所へ移動してきたアリス達。
シャッターがあるため、出入り口に近い場所のようだ。
作業していた男達は、アリス達に一瞬注目したが、すぐに作業の手を動かし始める。
その中に、手を動かさずに此方を見ている男が一人だけいた。
「あれ?貴方は」
「お前達も正社員になったのか!」
「……。」
アリス達に話し掛けてきた男は、点呼に来た男だった。
「も、って事は貴方の方こそ正社員になったんだね」
「ああ。此処は稼ぎが良いから何か裏があると思ってはいたが、武器を扱っていたなんてな」
男がそう話すと、手を動かせ、と先輩社員が男を叱り飛ばす。それを聞いて、また後でなといい、手を動かし始めた。
「……丁度良い」
「うん?」
ポソリと呟く中也。
その言葉を拾いはしたが、何のことか判らないアリス。
「気にすンな。此方の話だ」
「……そう?」
アリスは中也の言葉に嘘がないためそれ以上は何も云わなかった。
中也とアリスはモノを見てまわる。
「如何?中也兄」
「嗚呼、間違いねェ……俺達の荷物だ!」
そう云うと、地面を蹴って男達に襲い掛かった。
「「「「!?」」」」
襲われたことに気づき、目の前の中で応戦する男達。
然し、実力差が在りすぎる。
工場からアリスと中也以外の生が失われるまでに、そう時間は掛からなかったーーー