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【文スト】不思議の国の異能少女・陰

第5章 自覚


「パーツで運んで此処で組み立てる、か」

「バラバラだと隠しておくのにも便利だよね」

紅茶を飲みながらアリスは続ける。

「最終的な組み立てが見られればこの仮説は確定するんだけど。あーあ。確認するために居なくなった繋ぎ服の男に付いていけば良かったよ」

ハァ、とがっくし肩を落とすアリス。

「否、初日で此処まで判りゃ上等だろ」

「…ホント?」

そんな、落ち込んでいるアリスの頭を優しく撫でてやる中也。
しょんぼりしている顔…身長差のせいで、必然的に上目遣いになるアリスの悲しそうな表情を見て、


「……。」


中也は頭を撫でる、だけでは足りないーーー
抱き締めたい衝動性に駆られる。


「……中也兄?」


それは、何時もの『妹分』という甘やかしたい衝動から来ているもの、ではないと自覚するのには充分すぎた。

「……なァ、アリス」

「?」

「如何してポートマフィアに入ることを決めた?」

「え?」


突然の質問にキョトンとするアリス。
中也の表情から質問の意図が読み取れないため、試されているのか、或いは別の理由が在るのかーーー。
アリスは、少し考える。
然し、中也の突然すぎる謎の質問はまだ続いた。


「青鯖が居るからか?」

「…え?治兄?」

益々、訳が判らずに混乱するアリス。

「今先刻の質問で、治兄の名前が出てくる理由が判らないけど…」

「けど、何だよ」

「えっと…別にポートマフィアに魅力を感じたわけじゃなくて…」

「それでも選んだンだろ?」

中也の表情からは、矢張り質問の意図が読み取れない。
アリスの声は段々と小さくなっていく。

正直に話すのは、出来なくはない。

でも、それを目の前の人物に話すのは正直に恥ずかしかった。


「そのっ、……取り引きの時だけ会うの、ちょっぴり寂しっ!?」


凡ての言葉を述べ終わる前に、アリスは言葉を詰まらせた。
力強く引き寄せられ、中也の胸にスッポリと収まってしまったのだ。

「ちちちちちっ、中也兄!?いいい一体、何をっ!?」

「よく聞け、アリス」

「ひゃい!?」

耳元で低く話し掛けられる。
その行為に、擽ったさや恥ずかしさから声が裏返るアリス。




「俺は手前を太宰に渡す気は無ェからな」



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