第6章 門出
無事に会議は終了し、各々、部屋をあとにする。
「アリス」
廊下に出て直ぐに呼び止められ、歩みを止めるアリス。
「なぁに?中也」
「手伝うか?」
「いいよ。中也は西方の小競合いの片付け後で疲れてるでしょ?」
「まあ…。少しはな」
こんな小さい子どもに気を遣わせて居るのかと苦笑し、アリスの頭を撫でる。
「治兄にもこっぴどく負けちゃった位だしね?」
「負けてねーよ!」
アリスの言葉に間髪入れずに返答し、頭を撫でていた手を止める中也。
「小競合いのことよりも此方の事を云いたかったのか!つーか!何でその事知ってんだァ!?」
「何でって……ちゃんとやり取り全部見てたよ?」
「……。」
クスクス笑いながら然も当然の様に語るアリスに肩を落とす中也。
観られていたのに気付かなかったとは――。
然し、太宰の注意が自分から一回も逸れなかった事を考えれば…恐らく太宰の方もアリスに気付いてはいなかった筈だ。
それで良しとする中也。
「治兄、元気そうだったね?」
ポツリと呟いたアリスの言葉に思わず眉を寄せる。
「判ッてると思うが彼奴の所に行かせる気はねえからな」
「今のところはそんな予定無いよ。ポートマフィアも楽しいし。あんまり陽の当たるところすきじゃないし」
「そう云う事を云ってンじゃねえよ」
「んぅ!?」
中也がアリスの口を、己の口で塞ぐ。
アリスが中也の胸をトントンとたたいて、ようやく開放する中也。
「未だ判んねえか?」
アリスの頭をワシャワシャと乱暴に撫でる。
「ちゃんと解ってるもん!もうっ!髪が乱れちゃう!」
手を振り回しながら反抗するアリスに苦笑する中也。
「……心配しなくても中也の側に居るもん」
「そうしてくれ」
ポフッと中也の胸の中に納まって抱き着くと中也もそれに応じた。