第4章 パラサイト その1
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「こうして改めて見ていると、裏切り者の数の多いこと」
太宰は溜め息を着きながら牢屋の前でぼやいた。
中には8人。
「お待ち下さい!私は裏切り者ではありません!」
「わ、私もです!」
一人が声を上げたことにより、次々と言い訳をしていく囚われている黒服達。
そこにちょうど良く現れたのはアリスを引き連れた中也だった。
「だそうだけど。どう?アリス」
「私の頭の警鐘は鳴りっぱなしだよ…煩いくらい」
頭をふるふると振るいながら大袈裟に云うアリス。
そして、一番大人しくしている、先日対立しようとしていた初老の男の方を見た。ーーー広津だ。
「貴方は?」
「組織を裏切る心算はないが、部下から裏切り者が出た罪は重い」
「そっか」
聴き終わるとアリスは鉄格子越しに広津に向かって手を差し伸べた。
「?」
その手を握る広津。
グイッ
「「「!?」」」
アリスがその手を引っ張ると、広津は鉄格子をすり抜けて太宰たち側に立っていた。
その場に居た者全員が、その光景に驚愕の表情を浮かべる。
「本当はこんな檻、簡単に出られたんだ」
「……そのようだな」
ニッコリ笑って云うアリスに恐怖の意を抱く広津。
「一体、何が起こったんだ?」
「うん?鉄格子と鉄格子の間の隙間の空間を人が通れる程に広げただけだよ?」
「……ホント、何でもアリだな手前は」
説明を受け、呆れた顔をする中也だった。
「さてさて、貴方達は他に何人の仲間が此処に居るのかな?」
コテンと首を傾け、聞くアリスに、顔が青褪めている囚われの黒服達。
「1人?」
「何云ってんだ、このガキ」
「3人かな?」
「だ、たから俺も裏切り者じゃないと云っているだろう!?」
「5人かも?」
「話を聞いて下さい、太宰幹部!」
「10人もいるの?」
「いい加減な事云いやがって、この餓鬼!ぶっ殺してやる!」
「15人かー」
「太宰幹部もこんな餓鬼を信じるんですか!?」
「餓鬼餓鬼五月蠅ェな、おい。他にまともな言い訳はねえのかよ」
ガン、と中也が鉄格子を蹴り飛ばす。
大きい音を立てて歪に歪んだ鉄格子に小さく悲鳴を上げるものもいる。
「太宰のお兄ちゃん。10人以上15人以下いるみたい」
「ふむ、少し足りないね」