第4章 パラサイト その1
そのようなやり取りをして暫くして、
「ご馳走様でしたー」
手を合わせて挨拶するアリス。
中也が、簡単に片付けし始めると、アリスは太宰の方を見ながら口を開いた。
「太宰のお兄ちゃんは『影の人』は何処にいると思う??」
「此処の何処か」
「成程ー」
即答する太宰にアリスは納得したが、ちょっと考える仕草をする。
「別の所だと思うのかい?」
「否、私も同じ意見だよ」
「はァ?!此処の何処かに居るだと!?」
「相手は影を移動できる。こんな状況だ。監視カメラの視覚を見つけ出し、我々に姿を見せずに潜伏している可能性が極めて高い」
「この部屋にいる可能性もあるってことじゃねえか!」
「否、私との接触は避けたい筈だ。組織の転覆を目論んでいるなら先ずあり得ない」
中也の言葉を否定する。
そこにアリスが口を挟んだ。
「転覆…とは一寸違うかも」
「え?」
「何?」
太宰と中也の視線がアリスに集まる。
「太宰のお兄ちゃんは『パラサイト』って聞いたことある?」
「寄生生物のことかい?」
アリスは首を横に振った。
「少し前から、色々な組織でこのポートマフィアみたいなことが起こっているんだ」
「「!?」」
アリスの言葉に驚きの表情をする二人。
「正確な組織名も無いみたいだから『パラサイト』と呼ばれているみたいなんだけど」
「目的は?」
「まだ、はっきりしたことは判んない。でも3つだけ云えるのは裏切りや混乱に乗じて、その組織に寄生、乗っ取りを行っていること。そして、その組織の規模が段々と大きくなっていっていること。影の人はその組織の人か、その過程で仲間になった人ってこと」
「太宰が把握してねぇってことは俺たちの組織より小さいところばっかし狙われていたってことか?」
「今まではそうだよ。でもいきなり強大なポートマフィアを狙い始めた。その理由は私には判らないけど」
「それは何時くらいから起こり始めたか判るかい?」
「え?1年くらい前、だったかな」
太宰は少し考え込む。そして、結論が出た。
「…そうか、ポートマフィア首領の代替わりだ」
「!それなら狙われた理由も説明がつくね」
アリスが太宰に同意する。
「……何でだ?」
一人置いてけぼりの中也は素直に疑問を口にした。