第3章 再会
「何で俺が餓鬼の送迎なんかしなきゃなんねーんだよ」
苛々しながら呟く中也にアリス以外の少女達は怯えている。
「怒り過ぎると身体に悪いよ?あ、だからチビなんだよ!」
「誰がチビだ?!手前ェの方がチビだろうが!」
クスクス笑うアリスをみて、毒が抜けていく中也。
「中也お兄ちゃん、彼処でいいよ」
目的地を指差すアリス。
大通りを挟んで向かい側に見えるのは警察署。
中也はアリスの指示通りの場所に車を停車させた。
アリスは後ろに乗っている少女達に云った。
「車から降りたら真っ直ぐ警察署に行くんだよ。貴女達が証言しなきゃまた被害が出てしまう」
コクンと全員が頷いたのを確認して車のドアを開ける。
皆、一斉に車から降りていく。
他の少女達が降りてしまい、最後だった◎◎とその姉がアリスに話し掛ける。
「色々有難うございました」
「お姉ちゃんは行かないの?」
◎◎は心配そうな声でアリスに話し掛ける。
「私はお兄ちゃんと一緒にお出掛けするんだ。だから此処でバイバイだよ」
◎◎はバイバイ、と手を降りながら車から降りていった。
ここで漸く中也が口を挟む。
「…おい。餓鬼共を何処に消した?」
「ん?警察署だけど?此処から歩いて行くまでに殺されるかもしれないでしょ?」
「アイツを庇うつもりは無ェが、太宰は取引に関しちゃ嘘はつかねーよ」
「知ってるよ。現に、嘘はついていなかったもの」
「じゃあ何故だ?」
「跡を追われてたから」
「!?」
アリスの言葉に反応する中也。
追跡された覚えは、ない。
バックミラーを見るも、それらしい車は見当たらない。
「『今の』ポートマフィアは敵が混ざってるからね。信用は出来ない」
「……。」
この少女が言うことは正しい。
故に反論出来ない中也。
「あの餓鬼達を消したのは、あの時俺たちの前から消えた異能か?」
「そうだよー」
あっさりと認めるアリス。その顔は、この間のように眠そうだ。欠伸をしながら中也と話している。
「あの子達の記憶が本当に消えてるかどうかは太宰のお兄ちゃんが盗聴してるだろうし、帰ろう?」
「……。」
確かに太宰の事だ。
確認の為に何かしらの手は打っているだろう。
そう納得して、中也は車を発車させた。