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【文スト】不思議の国の異能少女・陰

第3章 再会


少女達が悲鳴を上げる。
しかし、銃弾は檻の前で止まり、地面に落ちた。

コロコロ、と小さな金属が転がる音が部屋に響く。

その静寂を破ったのは、突然発砲した太宰だった。


「ふむ。会話で注意を逸していても銃弾は止められるのか」


その状況に驚きを隠せない広津と中也、そして少女達。


「殺すなら私からにしてくれないかな?此処で用事があるのって私くらいでしょ?」

アリスが怒りを露にする。

「そう?其れじゃ遠慮なく」

「!」

太宰がアリスの首に手を掛けた。


異能力―――『人間失格』


「異能力さえ使えなければ君なんてその辺の子供と何も変わらないよ」

「くっ……っぁ!」

指に力を込めて首を絞める太宰。



「今君にできることは2つ。このまま死ぬか、その異能が何なのか教えて我々に下るか」

「……。」


中也は太宰の行動を、唯々黙ってみている。
それが最適解だと分かっているからだ。


そんな時、アリスの口が僅かに動く。


「ワンッ…ラ…ド…」

「私に異能力は―」

「ハッ……ア…デ…!」


「?!」

ゴウッ!
突然、強風と光が太宰を襲った。


「「太宰(君)!」」

ガシャン!

太宰が檻まで飛ばされたのを機に、アリスは軽く咳込み、止められていた分の酸素を取り入れると「外れて」と呟く。


その声に反応して、音を立てて手足に填められていた枷が外れた。

「「!!」」

その状況に驚愕し、中也と広津が構える。

それに気付いて睨み付けるアリス。


「今、機嫌悪いから戦うなら殺すよ」

「!」

少女らしからぬ表情で、一般人とはとても思えない台詞を吐く。

「大人しく捕まるのはもう止めるのかい?」

よっ、と軽い調子で起き上がった太宰は二人の前に手を出した。

その合図を正しく汲み取り、構えをとく中也と広津。

「乱暴されて大人しくしてる程、善い子じゃないもん」

コホッと咳をして太宰と対峙するアリス。

「悪かったよ。殺す心算は無かったんだけど。真逆、返り討ちに遭うとはね」

「……。」

鈴の音が聴こえない。
目の前の男は、嘘を云っていないと確信するアリス。


「お詫びと言ってはなんだが、私と取引なんて如何だい?」


ニッコリ笑いながら太宰は云った。
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