第3章 再会
自分以外の子達は皆泣いている……。
その様子を見てアリスは複雑な心境になる。
異能力を持つが故に落ち着いていられる事を良しとしている反面、普通の女の子ではないと云うことをひしひしと思い知らされていた。
でもアリスは知っている。
たとえ力があろうとなかろうと、泣いたところで物事の解決にはならないことを―――……。
「はぁ」
そんな辛気臭い事を考えてしまった思考を切り替えるため、首を横にふるふると振った。
そして、一番に脳裏に浮かんだ言葉を呟いた。
「お腹空いたなー」
「!」
そのぼやきは、少女達だけではなく見張りの男にも聞こえていたらしく、驚きの表情を向けられる。
「え?何?何か変なこと言ったかな?」
キョロキョロと周りを見渡すアリス。
「……自分の置かれてる状況が判らないらしいな」
暖気な調子で反応するアリスに苛つきを覚える見張り。
そう言うと男は牢屋の入口を開け、アリスに出てくるように命令した。
「あ、出してくれるの?有難うー」
手枷を外し、その手首を掴んで壁側に連れていく。
そして、手足を拘束され直し、壁に張り付けにされた。
「あれ?もしかしなくても私がトップバッター??」
「俺はお前みたいに余裕があるやつを恐怖に突き落とすのが一番、楽しみなんだよ」
「ふーん、悪趣味」
大して興味が無い、と云わんばかりの返事に苛つきを隠せない見張りの男。
「!手前「私もそうだな。」…っ!」
男が言い返そうとした瞬間に、部屋の入り口から別の声が響き渡った。
「!」
広津が戻ってきて、会話に加わったのだ。
見張りの男ですら額に汗を浮べる程、空気が一気に張り詰めた。
「貴方もかー。紳士みたいな見た目なのに中身は真っ黒……え。」
アリスは、余裕を見せていた顔を急に驚きの表情に変えた。
部屋の中に這入ってきた時には気付かなかったのだ。
「中原中也……ってことは……此処って……」
「……手前、矢ッ張り俺を知ってやがるな」
アリスの脳裏に嫌な予感が過ぎる。
「此処が何処か判ったか?」
「……最悪。ポートマフィアが絡んでいたなんて」
「知り合いかね?中也君」
少女の口からポートマフィアの名が出てきたことで、広津が中也に問い掛けた。