第6章 春夏「秋」冬
五条「・・・・ちぇっ!!あの時孕ませときゃよかった~~~!!!」
「んぐっ――!?」
五条の言葉を聞いて、口に含んでいた甘い缶コーヒーが気管に入りかけ、盛大にむせた。
「げほっ……!! ちょっ……な、なに言ってるんですか!?げほ、げほっ、、、」
慌てて口元を押さえる。
危うく答案用紙にコーヒーを撒き散らすところだった。
しん、と静まり返った早朝の職員室。
窓の外ではまだ部活動の朝練の声も遠く、カチ、カチ、と壁時計の音だけがやけに響いている。
そんな空間にあまりにも不釣り合いな爆弾発言だった。
「その話は・・・耳が痛いのでやめてください・・・」
耳まで熱くなるのが自分でもわかる。
五条はそんな反応を見て、肩を揺らして笑った。
五条「えー? 誰もいないしいいじゃん。」
「よくないですっ……!」
慌ててティッシュで机を拭く。
赤ペン。
面談用紙。
“将来の希望”と書かれた紙。
その横で交わされる会話としては、あまりにも場違いだった。
「もう……朝から変なこと言わないでください……。」
五条「変かなぁ。わりと本音なんだけど。」
「っ……!!」
さらりと言われて、は言葉に詰まる。
むしろ、冗談っぽく笑いながら言う分、余計に質が悪い。
五条は面白そうにを眺めながら、差し出されたコーヒーを一口飲む。
五条「ん、美味し。やっぱちゃん、いい奥さん向いてるよ。」
「だからそういう話を……っ!」
また顔が熱くなって、逃げるように答案用紙へ視線を落とした。
しかし赤字で書かれた“38点”の数字を見ても、
もう頭に入ってこなかった。
(・・・いまも、憂太くんと平和に。幸せに。
毎日を過ごしているが、
あの日の出来事は消えない。
気持ちが揺らいでいるわけでもない。
けど、五条さんに大事にされているのは日々感じる。
ちょっとしたことで気にかけてくれたり、
躓いただけで、心配してくれたり。
以前に増して・・・・直接的になった気がする。)
「はぁ、、、、」
(22歳。呪術高専 教師2年目・・・悩みが多いです。)