第5章 記憶×記録
~ 東京(ひまわり畑) ~
乙骨は呆然と二人を認識するや否や
みるみる顔を赤くした。
乙骨「二人ともな、なにしてるの!?」
パンダ「いや〜~、なにというか、乙骨が心配で?」
真希「お前が勝手についてきたんだろ。」
パンダ「真希も来てたじゃん。」
真希「私は止めに来た。」
パンダ「途中から普通に覗いてたくせに。」
真希「ぶっ飛ばすぞ。」
二人のいつものやり取りが始まる。
その横で、蘆屋はぽかんと目を丸くしていた。
「……ふふっ。」
真希「……ったく。」
呆れたようにため息を吐きながら、少しだけ視線を和らげて蘆屋を見た。
真希「元気そうじゃん」
パンダ「そうだそうだ!
俺らのこと覚えてる?
俺、パンダ、よろしくな
こっちは、真希
2人とも乙骨の友達」
真希「ふん。」
「パンダ・・・・。」
不思議そうに、目をぱちぱちさせながらパンダを見る。
(どこからどうみてもパンダだ・・・・)
パンダ「で~?どう?乙骨は~。」ニヒヒ
にやにやしながら訪ねるパンダ。
真希「ま、頼りねぇかもだけど、いいやつだから。」
乙骨「真希さんまで~・・・」
「ふふっ、頼もしいお友達だね」
久しぶりに聞く賑やかなやり取りに、また小さく笑った。
その笑顔を見て、乙骨はほっとしたように肩の力を抜く。
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四人になった休憩所は、さっきまでよりずっと賑やかだった。
パンダが売店で追加のアイスを買ってきたり、
真希が「食いすぎだろ」と呆れたり。
乙骨が「真希さんもさっき結構食べてましたよね?」と突っ込めば、
「黙れ」と即座に返ってくる。
そんなやり取りを見ながら、蘆屋は何度も小さく笑っていた。
「……なんだか、不思議。」
パンダ「ん?」
「みんなの会話を聞いてると、懐かしい感じがする・・・」
真希「まぁ、実際、私らからしたら、今始まった関係じゃないからな。今さら遠慮するのも気持ち悪ぃし。」
パンダ「そーそー。あと乙骨がずっと暗い顔してたからな〜。」
乙骨「2人とも~~・・・」
風が吹き抜け、風鈴がちりん、と鳴る。
ひとしきり笑い声が落ち着いた頃。