第5章 記憶×記録
~呪術高専(東京校)~
昼休みの高専は、珍しく静かだった。
各々が昼食を広げているものの、話題は自然と一人の人物へ向く。
釘崎「……で、結局まだ会わせてもらえないわけ?」
真希「さぁな。あのバカ(五条)、“安静第一”の一点張り。」
パンダ「重傷だったんだろ? まぁ、仕方ないだろう?」
狗巻「しゃけ……。」
伏黒は弁当の蓋を閉じながら、小さく息を吐いた。
伏黒「……もう数日経ってる。」
乙骨「……。」
その隣で、乙骨はどこか落ち着かない様子でスマホを伏せる。
毎日返事が待ち遠しい。
- LINE -
[次の休みは一緒に行きたいところがあるんだけど・・・]
[付き合ってくれる?]
乙骨[もちろん!]
乙骨[行きたいところって?]
[当日のお楽しみ♪]
乙骨[えぇ!]
乙骨[わかった!楽しみにしてるね!]
乙骨[起きたらなんでもいいから連絡まってるね]
乙骨[今日はさんが目を覚ましたって五条先生から聞いて安心したよ。]
[不在着信]
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・
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いくら待っても変えてこない連絡。
虎杖「でもさ、先生ならきっと大丈夫だろ! なんかこう……すぐ戻ってきそうじゃん。」
釘崎「アンタのその根拠ゼロのポジティブ、時々腹立つわね。」
そんなやり取りをしていた、その時。
――バーン!!
勢いよく食堂の扉が開いた。
五条「やっほー、みんな元気〜?」
あまりにも場違いなほど明るい声。
全員の視線が一斉に向く。
真希「……うわ。」
釘崎「何そのテンション。キモ。」
五条は気にも留めず、ひらひらと手を振りながら入ってくる。
五条「え〜、ひどくない? センセ傷ついちゃう。」
虎杖「でもなんか今日ご機嫌じゃない?」
五条「ん〜?」
虎杖「なんかいいことあった?」
五条は口元だけ笑って、人差し指を立てる。
五条「……ナ・イ・ショ!」
釘崎「うっっざ。」
真希「で?」
ガタン、と真希が立ち上がる。
真希「いつになったら会わせんだよ。」
釘崎「そーーーーよ。目は覚ましたんでしょ?」
虎杖「俺も会いたい!」
パンダ「俺も。俺も~。」
乙骨「……僕も。」
一気に詰め寄られ、五条は「おっと」と肩を竦める。