第5章 記憶×記録
五条は気にした様子もなく、
スキンケアクリームを指先へ取った。
そして。
蘆屋の首元へ、
そっと触れる。
「……っ、ちょっと冷たいかも」
ひんやりした感触。
優しく撫でるように、
歯形の上へクリームを塗っていく。
五条の指は思っていたより大きくて、
でも動きは丁寧だった。
五条「痛い?」
「いえ、、、大丈夫です」
五条「はい、次、腕は自分で塗りな。あと、足ね。こっち向けて」
五条悟の視線が、主人公の脚へ落ちる。
部屋着の裾から覗く太腿。
そこにも、うっすらと残る歯形が散っていた。
「あ…うん、…」
五条の手がそっと脚へ触れた。
「……っ」
ひんやりしたクリーム。
その感触と一緒に、
大きな手がゆっくり肌を滑っていく。
ふくらはぎ。
膝。
そして。
太腿へ。
「……っ、」
内側へ近づくほど、
妙に身体が強張る。
太腿の内側へ、
指先がすぅ、と滑り込んだ瞬間。
「っ、ぁ……」
小さな声が漏れた。
空気が止まる。
蘆屋自身が一番驚いていた。
「……」
五条「……」
五条の手がぴたりと止まる。
主人公の顔が一気に熱くなる。
しまった、と思った頃にはもう遅い。
静かな部屋に、
自分の声だけがやけに響いていた。
「ち、違っ……いやっ、、嫌とかじゃなくって、、、!!」
誤魔化そうとしても、
うまく言葉にならない。
五条は数秒黙ったまま、
蘆屋を見上げていた。
「……ご、ごめんなさい」
耐えきれなくなって、慌てて顔を背けた
蘆屋の謝罪は声が小さく震えていた。
五条(あーぁ、、耳まで真っ赤。)
五条はその反応を見たまま、
一瞬だけ視線を伏せる。
五条(ってか……だめだろ、これ。家族でギリアウトじゃない?)
風呂上がりで熱を持った肌も、
恥ずかしそうに揺れる声も、
無防備に自分を受け入れている距離感も。
全部が危ない。
五条は小さく息を吐くと、
わざと軽い調子で笑った。
五条「はいはい、終了〜、ごめん、びっくりしたね。よしよし。・・・・けど、他所でそんな可愛い声だしたらだめですよ~」
意地悪な笑みを浮かべて蘆屋を見る。
「~~~~!!!」
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