第5章 記憶×記録
主人公の手にはうっすら歯型が残っていた。
「いったぁ、、、、この子、嚙む力強い・・・・」
五条「そりゃ呪骸だもん」
五条は楽しそうに笑いながら立ち上がる。
五条「じゃ、僕これからちょっと行くとこあるから」
「えっ」
五条「さみしいの~?夕方には戻るよ。ちゃんと練習しといてね〜」
冗談交じりにひらひらと手を振りながら、
部屋を出ていく五条。
襖が閉まる。
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「……よし」
呪骸を持ち直す。
今度こそ。
丁寧に。
慎重に。
呪力を流して――
ガブッ。
「いった!!」
数分後。
ガブッ!!
「いだいっ!!」
さらに数分後。
「もうっ!!」
ガブッ!!!
「〜〜〜っ!!……いたい!!」
和室には、蘆屋の悲鳴が響き続けていた。
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・
――数時間後。
「……ふぅ〜〜……」
主人公は畳の上へぺたりと座り込み、大きく息を吐いた。
腕。
手。
肩。
果てには太腿にまで、
小さな歯形がうっすら残っている。
「君はどうしてこんなに噛むの……」
恨めしそうに視線を向ける先。
そこには、ころん、と丸くなったカワウソ型の呪骸がいた。
最初は犬だと思っていたが、
よく見ると妙に胴が長い。
つぶらな瞳でこちらを見上げている。
「……」
呪骸「……」
数秒見つめ合い。
そっと手を伸ばした。
ぴくり、と呪骸の耳が動く。
「君はお腹すかないの?私はお腹すいたよ。」
気づけば13:00だった。
呪骸「……」
変わらずこっちをまっすぐ見ている。
「そっか、君はぬいぐるみだからお腹すかないのか。でも、君・・・」
呪骸は、一定時間呪力を与えないと攻撃をしてくることは
最初の1時間で判明した。
呪骸「ガルルルルル、、、、ッ」
「タイムタイムタイムっ!」
威嚇してきた呪骸に急いで呪力を与える。
「ふぅ、、呪力・・・おいしいの?」
呪骸「……」
窓際へ座り込み、頭の上にカワウソを乗っける蘆屋。
「ずっと握ってるわけにもいかないからさ、、、」