第5章 記憶×記録
――五条は視線を逸らすようにフライパンへ向き直る。
五条「はいはい、まずはご飯。まーった空っぽの状態で呪力使うと倒れるからね〜」
慣れた手つきで卵とベーコン、ベーグルを準備する
パン派の五条。
卵を割り、
フライパンへベーコンを並べる。
じゅわ、と香ばしい音が静かな部屋へ広がった。
「五条さん、日本人なら朝はお米なのに、相変わらずパンお好きですね。」
五条「お、僕の好みもちゃんと思い出してくれたんだ~!ほらぁ、国民的CMであるじゃん?朝はパン♪パンパパンッ☆」
鼻歌混じりにベーグルをトースターへ放り込む五条。
「まぁ・・・。ありますけど・・・。あ、ほら、お米も、・・・~♪うまいっ、はやいっ、サ○ウのご飯♪・・・って!なんでそんなに笑てるんですか!」
蘆屋が五条に視線をやると笑いをこらえてる五条。
五条「いや~~~、ごめんごめん、ちゃん、チョイスが可愛いし、すーんごい、カッワイイー音程。笑」
「・・・・なっ!」
五条「はぁ~~~~、笑った笑った、、、、」
「もう歌いません・・・・。」
五条「え~~~~、そういうところも可愛くて好きだけどね~♪」
「・・・ふん。」
手際よく朝食を作り終えた五条が、テーブルの上に丁寧に並べる。
ふわふわの卵焼き。
こんがり焼けたベーコン。
湯気の立つスープ。
焼きたてのベーグル。
「うわぁ・・・おいしそう!」
五条「でしょ~?」
「五条家って、いつも料理人さんが作ってくれますからね。素敵な朝食・・・・懐かしい気がします。」
その言葉に、五条が「あ〜」と納得したように笑った。
五条「まぁ実家はそうだねぇ。朝から旅館みたいな和食出てくるし」
焼き魚。
味噌汁。
白米。
小鉢。
記憶の中の五条家の朝食は、
いつも綺麗に整っていた。
五条「僕は、朝はパン食いたいんだよ。」
「なんか、不思議ですね、五条さんが料理してるの」
五条「ま、生きてると色々覚えるもんですよ〜」
そう笑う横顔が、どこか昔より大人に見えて。
蘆屋は小さく胸の奥をざわつかせていた。