第5章 記憶×記録
「はいはい……。まったく・・・。」
いつも通りあきれる蘆屋。
五条「半分くらいは本当」
「半分も!?」
五条は声を上げて笑った。
その笑い声が、
記憶の奥にある懐かしい音と重なる。
主人公がむっとした顔で睨むと、
五条は少しだけ目を細めた。
そして。
五条「……でもね〜、いいんだよ」
ふっと声音が柔らかくなる。
五条「お兄サンだからね、僕」
その言葉に、
蘆屋は小さく瞬きをした。
胸の奥が、じんわり温かくなる。
家族。
守ってくれる人。
帰る場所。
まだ何か大切なことを忘れている気はする...
でも。
(この人の隣は、いつもあったかい。)
そう思えた。
ぽん、と軽く蘆屋の頭を撫でる五条。
五条「――さてと」
さっきまでの穏やかな空気を切り替えるように、
五条は立ち上がった。
長い脚でそのままキッチンの方へ歩いていく。
五条「朝ごはん食べたら、今日は呪力コントロールの練習ね〜」
五条は冷蔵庫を開けながら、ひらひら手を振った。
「……練習?」
五条「そ。まだ呪力の流れちょっと不安定だからさ」
「うーん、、、」
五条「僕が知るちゃんはね、もっとすごいんだから~」
「ふーん、、、」
五条「まぁ、リハビリみたいなもんだと思ってよ」
(リハビリ……)
五条「だから今日はまず、基礎から。お兄サンが優しく教えてあ・げ・る・☆」
「……急に不安になってきました」
五条「ひどくない?」
五条がわざとらしく肩を落とす。
蘆屋は思わず小さく笑った。
その声を聞いて、
五条がほんの少しだけ安心したように目を細める。