第5章 記憶×記録
伊地知「・・・・乙骨くん到着後、対象は祓除完了。現場は現在、高専側で封鎖しています。それから虎杖くんからの供述より、おそらく蘆屋さんは自身で“強制シャットダウン”をしたものと思われます」
五条「ん~、仮に1級程度の土地神だったとしても、自らシャットダウンしなきゃいけないような敵じゃなかったと思うんだよね~~~。って考えると、宿儺の線が濃厚かー・・・」
伊地知「今後、虎杖君への呪力供給をすることで、何らかの干渉が起きる危険性も……」
数秒。
五条は何も答えない。
やがて。
朝日が、ゆっくりと車内へ差し込んだ。
その光の中で五条が静かに笑う。
五条「あるだろうね」
伊地知「……っ」
五条「ま、でも、ウチの生徒と先生、そんな簡単にやられないでしょ」
その声は、落ち着いていた。
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~ 埼玉県(某病院)~
白い天井。
消毒液の匂い。
規則的に鳴る、心電図の電子音。
窓の外では、朝日がゆっくりと昇り始めていた。
病室のカーテンが、微かな風で揺れる。
ベッドの上。
蘆屋は静かに眠ったままだった。
先生「応急処置と止血は完了しています」
伏黒と乙骨が、同時に視線を向ける。
乙骨「ありがとうございます」
医師「外傷自体は複数ありますが、命に別状はありません。ただ……かなり消耗していますね」
乙骨の視線が、眠る蘆屋へ落ちる。
医師「しばらくは安静が必要でしょう、今日のお昼には東京の病院へ搬送すると聞いていますので、こちらで手続を進めます」
伏黒「……そうですか、よろしくお願いします。」
張っていた空気が、僅かに緩む。
その時-
虎杖「痛っっっっっ!!!」
隣のベッドから、大声が響いた。
看護師「動かないでください」
伏黒「……うるせぇ」
カーテンの隙間。
そこでは、上半身包帯まみれの虎杖が、
看護師に傷の手当てを受けていた。
腕。
肩。
脇腹。
土地神との戦闘で負った傷が、生々しく残っている。
看護師「はい、次縫いますねー」
虎杖「えっ待っ……縫う!?」
看護師「暴れないでください」
虎杖「伏黒助け――痛ァァァァァ!!!」
伏黒は深いため息を吐く。
乙骨が思わず苦笑した。
乙骨「ふふふっ、でも、元気そうでよかった」ニコッ