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【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/乙骨×主(五/直/伏)

第5章 記憶×記録


夜明け前。

群青色だった空が、ゆっくりと白み始めていた。
高専へ向かう車両が、静かな道路を走っていく。

フロントガラス越し。
薄く朝焼けが滲んでいた。

運転席でハンドルを握る伊地知は、小さく息を吐く。

後部座席。

長い脚を組みながら、窓の外を眺める男。

白髪。
黒い目隠し。

五条悟。

伊地知「……以上が、今回の任務報告です」

数秒の沈黙。

タイヤの走行音だけが車内へ流れる。

五条「……へぇ」

軽い声。

伊地知「乙骨さんの報告、および現場に残留していた呪力反応を総合すると……少なくとも一級相当・・・いえ、土地そのものへ定着していた性質を考慮すれば、“土地神化した呪霊”として扱うべきかと」

五条「土地神、ねぇ」

朝焼けが、窓越しに五条の横顔を薄く照らす。

五条「珍しいモノ引いたじゃん」

伊地知「現場周辺には、古い祭祀文化の記録が残っていました。再開発以前、先住民が土地神を祀っていた痕跡があります」


ぺらりと資料を一枚めくる。


伊地知「ですが、その後の強制移住、住民排斥、不審死……そういった負の感情が長年土地へ蓄積し、呪霊化した可能性が高いかと」

五条「なるほどねぇ」

静かな声。

だが、その声音には僅かに興味が混じっていた。

五条「生存者は?」

伊地知「全員救出済みです」

伊地知「行方不明者についても、生存を確認しました」

五条「そっか」

短い返答。
その一言だけ、少し柔らかかった。


だが。
伊地知の表情は晴れない。

伊地知「……ただし」

五条「ん?」

伊地知「蘆屋さんの呪力消耗が深刻です」

五条の指先が、僅かに止まる。

伊地知「呪力枯渇に近い状態でした、数時間前に埼玉県の病院へ緊急搬送されました。外傷はそこまでひどくはなく。止血程度で済んだそうです」

五条「呪力の枯渇・・・・あの一家じゃ聞かない話だけど?」

伊地知「ンン、、、そうですね。それに関しては蘆屋さんが目を覚ましてから直接聞く他ありませんね。乙骨くんからは、“宿儺との接触”ではないかとの報告も上がっております」

沈黙。

車内の空気が、少しだけ重くなる。

伊地知の喉が無意識に鳴った。


五条「ふーん。なるほどね~。」

五条は窓の外へ視線を向ける。
空の端から、朝日が少しだけ覗き始めていた。
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