第4章 任務-3
宿儺「ほう……」
愉しげな声。
宿儺「これは面白い」
ドクン。
また脈打つ。
その度に、呪力が虎杖の奥底へ吸い込まれていく。
底が見えない。
まるで深淵だ。
(そ、そうだ!!!!切ら、ないと……!)
術式を解除する。
接続を断つ。
難しいことではない。頭では理解している。
だが-
切れない。
「っ……!」
指先が痺れる。
腕へ絡みついたツタが、さらに強く締め上げた。
まるで“繋がり”を固定するみたいに。
宿儺「どうした?」
宿儺の声が近い。
宿儺「切ってみろ」
「……っ、ぅ……!」
呼吸が乱れる。
呪力を止めようとするたび、逆側から強く引かれる。
まるで、命の綱引き-
こちらが切ろうとするほど、宿儺が“脈”を掴んで離さない。
宿儺「既に繋がっておる・・・今さら一方的に閉じられると思うな」
「ぁ……ぁ、っ……」
視界が揺れる。
耳鳴り。
全身の呪力回路が軋む。
虎杖「蘆屋先生!?」
現実世界では蘆屋の異変に気づき、虎杖が振り返る。
その瞬間。
土地神の根が、真正面から迫った。
伏黒「虎杖!! 前!!」
虎杖「っ!」
反射的に拳を叩き込む。
轟音が鳴り響く。
根が砕け散る。
だが。
ドクン――――
さらに呪力が持っていかれる。
「っぁぁ……!!」
肺が押しつぶされる。
心臓を直接掴まれているみたいな圧迫感。
宿儺「脆いな。その程度で軋むか」
(……このままじゃ)
理解した瞬間。
本能が叫ぶ。
これ以上は-
・
・
・
「……っ」
虎杖「っしゃ!、まだいける!!」
全身を巡る熱を無理やり掴み取る。
供給された莫大な呪力を、拳へ叩き込む。
虎杖は地面を蹴った。
吹き抜けを一直線に駆け抜け、
そのまま土地神の懐へ飛び込む。
土地神「――――」
揺らぐ輪郭。
無数の根が迎撃するように襲いかかる。
だが。
虎杖「邪魔だぁッ!!」
拳が唸る。
バゴォッ――――!!
衝撃波ごと、根が吹き飛ぶ。
さらに回転しながら蹴りを叩き込み、
二本、三本とまとめて砕く。