第4章 任務-3
「…………?」
一瞬。
流している呪力の奥で、“別の何か”が動いた。
虎杖の呪力ではない。
もっと禍々しく。
底の見えないもの。
暗闇の底で、何かが笑った気がした。
??『…………』
蘆屋の呼吸が止まる。
次の瞬間。
ドクンッ――――
蘆屋から虎杖へ供給されていた呪力が引っ張られる。
「っ、ぁ……!?」
まるで糸を掴まれたみたいに。
蘆屋の顔色が変わる。
血の気が引き、思考が停止する。
虎杖「蘆屋先生!?」
だが、蘆屋は返答できない。
視界の奥。
虎杖の呪力のさらに深い場所。
そこに、“目”があった。
ゆっくりと。
愉しむように。
こちらを見ていた。
宿儺「・・・お前か。コイツ(虎杖)の体に呪力を流しているのは」
「・・・・・・!!!!!!!!!」
宿儺「そんなに怯えることはない。・・・少し話をしよう。」
宿儺がゆっくりと語りかける。
宿儺「……その術。陰陽の系譜か」
「……っ」
宿儺「……なるほどな、お前の名は何という。」
「…………っ」
喉が・・・・・・動かない。
声を出そうとしても、肺が凍りついたみたいに息が詰まる。
目を逸らせない。
呪力の奥底から覗き込んでくる“何か”に、
本能が警鐘を鳴らしていた。
宿儺「答えられんか」
愉しむような声。
その双眸が、ゆっくりと細められる。
宿儺「……まぁよい」
ドクン――――
繋がった呪力が脈打つ。
その瞬間。
宿儺の口元が、わずかに歪んだ。
宿儺「知っておるぞ……蘆屋の者だろう」
「――――!!」
宿儺「陰陽の脈を呪へと落とし込み、他者へ流す異端・・・・まだ絶えておらなんだか」
低い笑い声が響く。
宿儺「俺が生きていた頃にもいた。薄気味の悪い術師共がな。」
ドクン――――
その瞬間。
蘆屋の身体が大きく震えた。
「っ、ぁ……!」
流していた呪力が、逆流する。
(違う!!じゅ、呪力が・・・引かれている!!!)
まるで、繋がった脈そのものを掴まれたみたいに。
じりじりと逃げ場がなくなっていく。