第4章 任務-3
虎杖「――見えてる!」
身体を捻る。
紙一重で回避。
そのまま踏み込み、拳を叩き込む。
バゴォッ――――!!
空気が爆ぜる。
今まで傷一つつかなかった根が、衝撃ごと砕け散った。
伏黒「効いてる……!」
吹き抜け奥。
暗闇の中の“それ”が揺らぐ。
輪郭が滲む。
まるで霧の向こうに立っているみたいに、その姿は定まらない。
だが確かに、今の一撃を警戒した。
土地神「――――」
低い唸り声。
次の瞬間。
床一面の紋様が、一斉に発光した。
「……っ!」
ドクン、と。
モール全体が脈打つ。
伏黒「来るぞ!!」
吹き抜けの天井、壁、床。
あらゆる場所から、無数のツタが噴き出した。
槍のように鋭く。
獲物を貫く速度で。
虎杖「っ、おぉ!!」
迫る一本を拳で砕く。
さらに身体を回転させ、後方から来たツタを蹴り飛ばす。
しかし数が多すぎる。
視界を埋め尽くすほどの黒い根。
虎杖「伏黒!!」
伏黒「鵺!!」
炸裂音。
影から現れた鵺が空間を駆け、雷撃がツタの群れを焼き払った。
焦げた臭いが広がる。
その隙を縫うように、虎杖が前へ出る。
虎杖(あと二発……いや、一発か)
身体の奥を満たしていた熱が、少しずつ削れていく。
蘆屋から流れ込んでいた呪力が減っているのが分かった。
だが。
「Sha'en──!(再脈 -!)」
呪力の供給が続く。
虎杖は奥歯を噛み締める。
その背中で、蘆屋の呼吸が浅くなるのを感じた。
(ツタが・・・っ、苦しい、、、)
蘆屋には、土地神と渡り合う呪力量の供給が可能だが、
物理的な攻撃へのフィジカルは持ち合わせていなかった。
「虎杖くんっ、、、、!!!!私がオチる、、、前に!!!!」
既に蘆屋の視界はかすみ始めていた。
(まずい・・・・あと1回呪力供給ができるか・・・)
普通なら、とっくに接続を切っている。
だが今は、離れられない。
(私が呪力供給をやめれば間違いなく無事では済まない・・・。けど、触れているおかげで、呪力供給はやりやすい、好都合・・・・ッ!)
絡みついたツタが、二人の距離を無理やり固定している。
その時だった。
――ぞわり。
蘆屋の背筋を、冷たい何かが撫でた。