第6章 春夏「秋」冬
~ 呪術高専(職員室) ~
昼休み前の職員室は比較的静かだった。
窓の外では、色づいた紅葉が冷たい風に揺れている。
かさり、と葉が擦れる音だけが時折聞こえていた。
蘆屋は自分の机に向かい、提出されたプリントをまとめていた。
暖房の効いた室内は少し眠気を誘うくらい暖かく、
静かな空気が流れている。
その時。
ガラッ――と職員室の扉が開いた。
五条「おっはよ〜」
間延びした声。
用事を済ませて、学校に顔を出しに来た五条が、
片手をひらひら振りながら入ってくる。
「遅かったですね。お疲れ様です。」
五条「まぁね~。」
軽口を叩きながら近づいてきた五条だったが――
ふと、の首元を見た瞬間。
ぴたり、と足が止まった。
空気が変わる。
「……?」
五条「ちょっと。」
少し焦った声。
五条は机の横まで来ると、自然な動作で蘆屋の顎へ触れる。
ひやりと長い指先が肌に触れ、顔を少し上向かされた。
「え、ちょ、ここ学校ですよ!?」
五条の視線が首元へ落ちる。
薄く残った赤い痕。
昨日よりは引いているものの、まだ消えきっていない。
五条「なにこれ」
「あぁ~・・・かくかくしかじか・・・」
昨日の出来事を話す。
((簡単に言うと“禪院家に喧嘩うったら返り討ちにされた”))
五条「……はぁ!?」
盛大な呆れ声が職員室に響いた。
五条は額を押さえ、そのまま深いため息を吐く。
五条「あのさ~~~~……」
呆れ半分。
怒り半分。
「お説教なら、昨日、伏黒君から頂いたから受け付けていませんので。」
五条の細い指先がそっと痣の近くをなぞる。
その青い瞳から笑みが消えていた。
五条「……あいつか。」
低く落ちた声。
五条は小さく舌打ち混じりに息を吐き、窓の外へ視線を向ける。
紅葉が風に揺れていた。
五条「次は一人で行かせないから。」
「・・・・。」
五条「無視禁止っ!!!!!」
「次はうまくやるので、、、、大丈夫ですっ」
五条「ちゃんさ~・・・」
「大丈夫ですっ!」
ふんっ、と意気込む姿に折れる五条。
五条「・・・次はないからね」
「んっ!」