第6章 春夏「秋」冬
〜 呪術高専 〜
夕暮れを過ぎた呪術高専は、昼間よりずっと静かだった。
校舎の窓から漏れる灯りだけが、
薄暗い廊下をぼんやり照らしている。
「・・・・はぁ。」
禪院家から戻ったばかりの蘆屋は、
小さく息を吐きながら廊下を歩いていた。
首が少し痛む。
鏡は見ていないが、きっと跡も残っている。
(まだ1件目なのに・・・全然だめだった、、、
しかも、サイン貰わずに帰ってきてしまったし・・・
私なにしてるの〜〜〜〜!!!
最悪だぁ・・・。)
そんなことを考えていた、その時。
伏黒「――蘆屋先生?」
「あ。」
曲がり角の向こう。
任務帰りなのか、制服姿の伏黒が立っていた。
伏黒「こんな時間まで何してたんですか。」
「えっと、面談で禪院家にちょっとね・・・。」
伏黒「面談?」
伏黒が近づいてくる。
そして。
廊下の灯りがの首元を照らした瞬間。
伏黒の足が止まった。
伏黒「・・・・!それ。」
「え?」
伏黒「首。」
「っ、ぁあ。」
反射的に手で隠そうとする。
だが遅かった。
赤く残る指の跡を見た瞬間、伏黒の表情が変わる。
伏黒「・・・・誰にやられたんですか。」
低い声だった。
「えっ、いや、これは・・・。」
伏黒「乱暴されたんですか。」
「ち、違っ――」
ぐ、と一歩詰め寄られる。
普段より明らかに距離が近い。
伏黒「どいつですか。」
「えぇっと・・・。」
伏黒の目が本気だ。
静かなのに、空気がぴりついている。
「あ、あはは・・・。
ちょっと喧嘩したというか・・・なんというか・・・。」
伏黒「喧嘩って・・・誤魔化さないでください」
「んんっ・・・・。」
伏黒はじっと蘆屋を見つめたあと、
舌打ち混じりに息を吐く。