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彼はアイドル。-R-

第1章 彼女の計画、彼の差別化。+




「……私の買ったスウェット、そんなに気に入ったなら……。今度は、拓人がボロボロになるまで、私が可愛がってあげようか?」


「……っ、……お前、……それ、反則だろ……っ」


拓人は、ついに顔を腕で覆い、ソファに崩れ落ちた。
顔を覆っている指の隙間から、真っ赤になった頬と、潤んだ瞳が覗く。
さっきまで「俺の匂いに上書きしてやる」なんて豪語していた男とは思えない、あまりに無防備で、あまりに扇情的な姿。


「……っ、……もう、いい加減にしろよ……。……やりすぎ……」


掠れた声で、弱々しく抗議する拓人。
けれど、うさみの腰に回された手だけは、離れたくないと言わんばかりに、ぎゅっとスウェットの生地を掴んで離さない。


「……やりすぎかな? ……でも、私をこんな風にしたのは、拓人だよ?」


うさみは、座り込んだ彼の膝の上に跨り、彼の頭を優しく自分の胸元に引き寄せた。
彼がさっきまで着ていたスウェットの、彼の匂いがいっぱいに詰まった場所へ。


「……ほら、自分の匂い、……落ち着くでしょ?」


拓人は、うさみの胸元に顔を埋めたまま、深い溜息をついた。
自分の服に包まれた彼女。その温もりと、挑発。
もはや、どちらが「主人」で、どちらが「所有物」なのか、その境界線はとっくに消えていた。

拓人の大きな体が、かすかに震えている。

いつもなら、その長い指先で強引に顎を掬い上げ、情熱的にリードする彼が、今はの愛撫をただ受け止めることしかできない。

スウェットの裾から忍び込み、胸元や脇腹をゆっくりとなぞるうさみの手。
その動きに合わせて、拓人の背中が弓なりに反り、喉の奥から「……っ、ふ……」と、熱く、苦しげな吐息が漏れた。


「……っ、……あ、……うさみ……っ」


彼は顔を覆っていた手を力なく下ろし、視線を彷徨わせた。
瞳は熱に浮かされたように潤み、その視線には、かつてないほどの切なさと、崩壊寸前の理性が同居している。
年上の「女」の本気に当てられて、酸素が足りないのか、彼の肩が激しく上下した。



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