【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第7章 5
爆豪の部屋に泊まって二週間目の朝。
先に目を覚ましたのは爆豪だった。枕元のスマホを確認する。午前七時。
隣で眠る透を見る。そっとベッドを抜け出し、キッチンへ向かった。
透も気配を感じて起きる。リビングに顔を出して
「おはよう…今日からパトロール復帰するわ…。」
爆豪はフライパンの前で振り返る。半熟の目玉焼きが音を立てる。
「体調は。」
「もう治ってきたし。二週間経ったし。ありがとうね、面倒見てくれて。」
皿に目玉焼きを滑らせながら。
「面倒なんか見てねぇ。」
別で焼いた鮭と一緒にテーブルに置く。
「さっさと食え。遅刻すんぞ。」
「うん、いただきます。」
二人の長いようで短い共同生活が終わるのが、少し寂しかった。
朝食を終え、それぞれ支度を済ませる。ヒーロースーツに袖を通す懐かしい感覚に目を細める透。
爆豪は玄関で先に靴を履き終えて待っている。何か言いたげな顔をして——結局。
「パトロール中に無理すんな。」
「うん、また連絡する。」
透はそう言って、街の中へ飛び出して行った。
マンションの出入り口から透の背中を見送る。——小さくなって、角を曲がって消えた。
「……。」
スマホを開いて、閉じて。また開いて。結局何も打たずにポケットにしまった。