【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第7章 5
看護師たちの悲鳴に近い怒声が、静まり返った廊下を切り裂いた。
「――いない! 302号室の水無月さんがいません!」
「まだ一人で歩ける状態じゃないはずよ! 非常階段のカメラを確認して!」
開いたままのドアから飛び込んできたその声に、爆豪の思考が一瞬で凍りつく。
透の病室へ確認に向かった轟が戻ってくると、その顔はさらに険しさを増していた。
「……病院の裏口から外へ出た形跡がある。個性の名残があった。無理やり自分の身体を操って、抜け出したらしい。」
爆豪は、傷口の激痛を無視してベッドから這い出した。点滴のチューブを引きちぎり、シーツを蹴り飛ばす。
「あいつ……勝手に終わらせるつもりかよ、ふざけんな……!」
「爆豪、待て! お前の傷もまだ……」
「どけ! あのクソ女、逃げるつもりだ……! 絶対逃さねぇ……!」
轟の制止を振り切り、爆豪は夕闇が迫る中を、執念に突き動かされるように飛び出して行った。