【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第5章 3
爆豪は握った手を見つめたまま。何かを決意するように、一度だけ強く唇を引き結んだ。
「——今日は帰らねぇ。」
なぜだか理解できない透。
「?…えっちしたいの?」
ばっと顔を上げる。耳まで赤い。
「違ぇよ馬鹿!!」
だが否定の声量が大きすぎて、すぐにトーンを落とした。ばつが悪そうに目を逸らす。
「……隈、隠してんのも知ってる。飯食ってねぇのも今日分かった。吐いてんのも。——そんな奴放って帰れるわけねぇだろ。」
「でも、」
遮るように。
「でももだってもねぇ。」
繋いだ手はそのまま、空いた方の手で透の頭をぐしゃりと撫でた。乱暴で不格好で——けれど優しい手つき。
その手で撫でられると、何にも言えなくなってしまう。
撫でていた手をそのまま首の後ろに回し、軽く引き寄せる。自分の肩口に透の額が当たる形。
透が、おずおずと口を開く。
「この前…怒ってごめん…。」
肩がピクリと反応する。
「……それは俺が悪ぃ。」
ぼそりと。らしくない小声。
それを聞いて透は、安心して爆豪の背中に腕を回した。