【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第5章 3
そのまま、透の服を捲る。広範囲のアザに目を見開く。
一瞬、動きが止まった。
「……打撲だと?」
赤く腫れ上がった肩を見つめ、奥歯を噛み締めているのが分かる。声は出さなかった——出したら、怒鳴ってしまうと分かっていたから。
「どうなってる、?」
低く、押し殺した声。
「広範囲の内出血。打ち身っつうか——ただぶつけたんじゃねぇだろこれ。」
指先で軽く縁をなぞる。痛む場所を探っている。
ポツリと
「…多分、瓦礫が当たった。」
爆豪の指が止まる。
「なんで隠した。」
責めているのではなかった。もっと別の——喉の奥で潰された感情が滲んでいる。
「そんなひどいって最初思わなかった。」
ゆっくり透の服を下ろす。抱えていた腰をそっと降ろして。
「冷やしたか。」
「ない。」
無言でキッチンに行き、保冷剤をタオルで包んで戻ってきた。
「座れ。」
透をソファに深く座らせ、その隣に爆豪が座る。包んだ保冷タオルを、壊れ物にでも当てるみたいに、静かに透の肩へ置いた。
この前、揉めたとは思えない優しさだ。と透は思ったが、口には出さず、素直に介抱される。
保冷剤の位置を微調整しながら。
「明日、病院行け。」
「めんどい。」
ぎろりと睨む——が、いつもの勢いがない。
「めんどいじゃねぇ。」
「冷やせば治るよ。」
はぁ、と長い溜息。
額を透の怪我をしていない方の肩に落とす。俯いたままの金髪。
「治んなかったらどうすんだよ……。」
「……。」
透はぐうの音も出ない。
顔を上げないまま、爆豪のくぐもった声。
「明日、連れてく。」
「はい…。」