【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第5章 3
しばらく歩いたところで、轟がぽつりと。
「今朝、爆豪からLINEが来た。『透に変なことしたら殺す』って。」
透は鼻で笑う。
「過保護か。」
前を見たまま。
「過保護っていうか——あれは独占欲だろ。」
「……。」
最近思い当たる節があったせいか、何も言い返せない。
轟が立ち止まり、自販機を指差す。
「何か飲むか。」
さりげなく話題を変えた。問い詰めるつもりはないらしい。
「…うん。ポカリ飲もうかな。」
ボタンを押してポカリを二本買い、一本を透に差し出す。
「夏バテには水分と電解質だ」と呟きながら。
キャップを開けて一口飲み、また歩き始めた。しばらく無言が続く。
繁華街に差しかかった。人通りが増え、二人は自然と周囲に目を配る。ヒーロー二人が並んで歩けば、ちらちらと視線が集まった。
不意に。
「俺は透のことが好きだ。——友達としてじゃなく。」
え?今??と目を白黒させる。
何となく察してはいたが、後での食事のときでも良かったはずだ。
透は戸惑いの表情でそのまま聞く。
轟は真っ直ぐ前を見ている。雑踏の中を歩きながら、まるで天気の話でもするかのように。
「食事の時だと、食事に集中できなくなるかもしれないからな。」
横断歩道の信号が赤に変わり、人の流れが止まった。二人は歩道の端に立っている。
轟の目がようやく透の方を見た。
「返事は今じゃなくていい。——ただ、ちゃんと伝えたかった。」