【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第5章 3
——あれから幾度も体を重ねて、現在に至る。
二人が口論をした翌日。どちらからも連絡はなかった。
爆豪は仕事に没頭することで思考を埋めようとし、現場で普段の倍の爆破を繰り出してサイドキックに怯えられていた。透は一人、何事もなかったようにヒーロー活動をこなしている。——表面上は。
そして、さらに翌日。透と轟の合同パトロール当日がやってきた。
朝から空は晴れ渡り、夏の日差しが容赦なく照りつけている。待ち合わせ場所の駅前に、長身の男が既に立っていた。白と赤のツートンカラーの髪。轟焦凍。
透の姿を見つけると、軽く手を挙げた。
「早いな。——体調、大丈夫か?少し顔色悪く見える。」
「轟くんも早いね。ちょっと夏バテしただけだよ。」
透は肩をすくめる。目の下の隈はコンソーラーで隠したが、血色の無さを誤魔化すためのチークを忘れた。
轟はじっと透の顔を見る。観察するような、けれど詮索しすぎない絶妙な間。
「そうか。無理はするなよ。」
それ以上は踏み込まなかった。轟なりの気遣いだった。「行こう」と示し、並んで歩き出す。
「今日回るルートなんだが——この先の繁華街から商業施設沿いに抜けて、港湾エリアまで。昼過ぎには終わる。」
二人のパトロールが始まった。轟の氷と透の水。能力の相性もさることながら、性格的にも噛み合う組み合わせだった。轟は口数が少ないが判断が的確で、透も余計なことを言わない。——静かに歩調が揃う、穏やかなペース。